よいドクターとは?

今回から、「実際にうつ病になってからのこと」というテーマで書いてみたいと思います。

実際にうつ病になるということはどういうことでしょうか。

一定の症状があればそう言えるでしょうが、
社会的に認定されるには、本人が医療機関に行って、
そこで医師から「うつ病である」と診断を下されることが必要でしょう。

つまり、クリニックに行って初めて「正式に」うつ病と認められると言えます。
その意味で、うつ病のスタートは医療機関の受診であるとも言えるのです。

そこで大切になってくるのは、よいドクターとの出会いです。
他の病気でもそうですが、心の病の場合は特に重要です。

では、どのようなドクターが「よいドクター」なのでしょうか。
ここでは下記の三点をあげたいと思います。

・自分と相性がいい

うつ病の治療には薬物療法だけでなく、心理療法というものがあります。
これは医師と患者とが会話をすることで治療を進めていくというものです。
カウンセリングとも共通します。
このように治療の過程で会話が重要になるので、
会話の相性というものがとても大切です。
話をするのも嫌な相手と診察のたびに向かい合っているのでは、
治療どころではありませんよね。

・話をよく聴いてくれる

上記の通り、治療には医師と患者との対話が重要です。
そのため、患者の話をよく聴いてくれることが望ましいです。
しっかりと時間を取って、患者の話に耳を傾けてくれるドクターに出会えれば
治療も進みやすいと思われます。
しかし、最近はどこのメンタルクリニックも患者の増加で忙しく、
ゆっくり話を聴くことが難しくなってきていますが…

・薬を出しすぎない

うつ病の治療にはお薬も用いられます。
他の病気と同様に、薬には多少なりとも副作用もありますので、
少ない薬剤で治療を進めてくれるドクターが望ましいでしょう。
また、精神科のお薬は回復が進んで減薬や断薬をする際も
慎重に進める必要があります。
その点からもシンプルな処方をしてくれることが望ましいです。

ちなみに私の経験では、
あまり話を聴いてくれないドクターほど、薬を多く出すように感じられました。
これらの条件を満たしてくれるのが、私が経験した中での「良いドクター」です。

最終的には相性のことなので一概には言えませんが、
万一、皆さんがうつ病になってしまったら、
皆さんにとって最良のドクターに巡り合えるよう願ってやみません。

今回はこの辺にいたします。
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うつ病は他人事ではない

前回、「働く人にとってうつ病は決して他人事ではない」ということを書きました。

今回は、その点をもう少し具体的に数字をあげてご紹介したいと思います。

厚労省の調査によると、

2020年にうつ病などで医療機関を受診した人数は約119万人だそうです。

大まかに言って、国民約100人に一人ということです。

受診していない患者さんもいるでしょうから、実際にはもっと多いと言えます。

また、生涯有病率という指標もありますが、

それによると約15人に一人が、一生のうちに一度はうつ病にかかると言われているそうです。

このことからも、うつ病は決して珍しい病気ではなく、

いつ自分がかかっても不思議ではないということが言えるでしょう。

そして、より深刻な自殺については、

ここ数年は一時期の3万人台を下回って2万人台で推移していますが、

その過半数がうつ病などの精神疾患によるものだと言われています。

仮に半分だとしても年間1万人以上が命を落としているのです。

これは、交通事故の死者数(2021年度は約2,600人)をはるかに上回っています。

また、30代以下の死因第一位が自殺であるというデータもあります。

(ちなみに40代以上は悪性新生物(いわゆるガン)だそうです)

このように、精神疾患による自殺は

働き盛りの人たちや若者たちの命を年間万単位で奪っているのです。

交通事故については職場や学校での教育が奏功して死者数は年々減少していますが、

自殺者については、上述の通り、残念ながらいまだにその何倍もの水準で高止まりしているのです。

社会に大きな影響を及ぼしているリスクとして、一刻も早く改善することが望まれます。

そのためにも、職場や学校で、交通安全教育と同様以上に、

自殺対策やストレスチェックなどのメンタルヘルス対策に注力されることが必要だと考えます。

近い将来、交通事故と同様に社会での啓発が進んで、

うつ病の患者数や自殺者数が大きく減少することを願ってやみません。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病が職場に及ぼす影響

うつ病は職場にどのような影響を及ぼすでしょうか?

まず、当事者が長期休業を余儀なくされるので、

その分、周囲の人の負担が増加するということが挙げられます。

数か月~1年前後の休職ののちに復職しても、

しばらくは業務負担を軽くしたリハビリ出社となりますので、

その影響は長期にわたります。

うつ病は再発しやすい病気ですので、完全復職後も十分な注意が必要です。

また、自殺リスクも考えねばなりません。

万一、職場で自殺者が出てしまったら、

その損失は計り知れないものになることは言うまでもないでしょう。

うつ病の症状の一つに希死念慮があるということはすでに述べましたが、

これは病気の急性期だけでなく、回復期にも起こりえるので注意が必要です。

むしろ、体力や気力が回復してからのほうが

衝動的に自殺してしまいやすいということも言われています。

WHOの報告では、

2030年には社会全体に対する経済的損失はうつ病によるものが第一位になると

予測されています。

がんやHIVよりも社会に与える影響が大きくなるということです。

このように、働く人にとってうつ病は決して他人事ではありません。

自分がかからないようにするのはもちろんのこと、

職場から一人もうつ病を出さないことが重要です。

そのためには、職場全員で仕事の量や質、ストレスの状況をチェックし、

みんなが働きやすい職場にすることが必要なのです。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病は「心の風邪」ではない

これまで、うつ病のメカニズムなどについてご紹介してきました。

それらのことから言えるのは、うつ病は心の病気であり、

決して弱さなどではないということです。

溜まったストレスなどにより、

心身のエネルギーが枯渇して脳が一時的に異常をきたしている状態なのです。

いや、異常ではなく、人に備わったリミッターが正常に作動した結果だと言えるかもしれません。

「うつ病は心の風邪」という言葉があります。

これは、ある意味では当たっています。

風邪を引いた人に、「お前が弱いから風邪を引くのだ」とは言いませんよね。

心の強弱に関係ない、れっきとした病気なのだという意味では確かにそう言えるでしょう。

しかし、別の意味では不適当であるともいえます。

風邪なら放っておいても数日で治りますが、うつ病はそうはいきません。

十分な休養に加えて、適切な治療が必要になります。

しかも、放置しておくと悪化する可能性もあります。

この意味で、「心の骨折」と表現する専門家もいます。

骨折には、休養に加えて患部の適切な固定や社会復帰に向けての

リハビリが必要になりますが、うつ病も同じだというわけです。

このように、うつ病は骨折に匹敵する重篤な病なのだということを

認識していただきたいと思います。

スポーツで怪我の予防に努めるように、

職場ではうつ病の予防に全力を尽くしていただきたいですし、

もし身近にうつ病が発生してしまったら、

円滑な社会復帰ができるよう、

周囲の人は本人のリハビリに全面的に協力していただきたいと思います。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病になりやすいタイプ

今回は、うつ病になりやすいタイプについてお話しします。

うつ病の発生するメカニズムにはまだまだわからないことが多く、

いろいろな説が唱えられていますが、

その中の一つに、その人の性格が影響しているという考え方があります。

それは、真面目、几帳面で責任感が強い性格はうつ病になりやすいというものです。

ドイツの精神医学者テレンバッハは、このような性格を「メランコリー親和型」と名づけました。

このような人たちは職場でも秩序を重んじ、ミスなく正確に仕事をこなします。

しかし、自分を追い込んでしまうところがあり、過労に陥ったりトラブルが続いたりすると、

自分を責めてしまいます。その結果、うつ病に陥ってしまうことが多いと言われているのです。

でも、決して「困ったものだ」などと思わないでください。

これは、職場で仕事を円滑に進めるために必要な資質なのです。

考えてみてください。もし、これと正反対の性格の人ばかりが職場にいたら…

不真面目で、いい加減で無責任な人ばかりだと、

確かにその人はうつ病にはならないかもしれませんが、仕事が回っていかないですよね。

こんな部下ばかりを抱えた上司がうつ病になってしまうかもしれません。

大切なのは、このような人々にストレスが溜まらないようにすることです。

そのため、組織には、仕事の質や量を常にチェックして

ストレス過多の人がいないか注意を払うことが求められるのです。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病の治療・オーソモレキュラー

今回はうつ病の治療について最新の療法をご紹介します。

以前にも書いたように、

うつ病の治療には薬物療法、心理療法、そして十分な休養という三本柱が有効だとされています。

それに加えて、最近注目されているのが分子栄養療法です。

これは、うつ病患者には特定の栄養素が不足していることに着目し、

その栄養素を食事だけでなくプロテインやサプリメントで補うことで症状の改善を図るというものです。

オーソモレキュラーとも呼ばれています。

具体的にうつ病で不足しているといわれるのは、

タンパク質、鉄、亜鉛、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンC、ビタミンDなどです。

これらは通常の食生活でも不足していると言われており、

一度不足すると食事だけで改善することは困難です。

そのため、プロテインやサプリメントで補うのです。

まだあまり広く知られていない療法であり、取り組んでいる医療機関も少ないのが現状ですが、

確実に著効している例が多く報告されています。

「オーソモレキュラー」で検索すると、取り入れている医療機関がわかりますので、

興味のある方はぜひ調べてみてください。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病のサイン・ケチな飲み屋

前回まで、うつ病の症状についてご紹介してきました。

今回は、同僚や部下など身近な人から発せられる、

うつ病が疑われるサインについてご紹介したいと思います。

うつ病の特徴の一つに、「病識が低い」ということがあります。

どういうことかというと、本人がうつ病に気づかず、

病気であるという認識がないことが多いということです。

そのため、周りの人が早めに気づいてあげることが重要なのです。

職場で現れるうつ病のサインをまとめたものに、「ケチな飲み屋」という言葉があります。

これは、下記のような状態の頭文字を取ったものです。

「け」…欠勤が増える

「ち」…遅刻や早退が増える

「な」…泣き言(「もうダメです」など)を言う

「の」…能率が下がる

「み」…ミスが増える

「や」…「辞めたい」と言う

「み」は、「身だしなみがおろそかになる」でもいいかもしれません。

これらの状態が現れたら、

本人がうつ病になっていたり、なりかかっている可能性があります。

「ケチな飲み屋」に気づいたら、

ゆっくり時間を取って本人の話を聴いてあげるといいでしょう。

そして、必要に応じて

カウンセリングやメンタルクリニックの受診を勧めてあげるのもいいと思います。

職場のメンタルヘルスを守るため、

身近に「ケチな飲み屋」がないか、注意してみてください。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病は「甘え」ではない

前回はうつ病の症状以外に現れる心身不調について、自分の体験も交えて書きました。

その前は、うつ病の代表的な症状であるDSM-5の9項目についてご紹介しました。

これらのことから言えるのは、気力や集中力がなくなったり、意欲が湧かなったり、

胃腸などに不調が出るのは決して本人の甘えなどではなく、

病気の症状である可能性があるということです。

つまり、インフルエンザや風邪になると熱が出るように、

これらの状態も、うつ病という病気が引き起こしている異常だということです。

しかし、残念なことに、これらの状態を訴えると、

「甘えだ」とか「気のせいだ」などとされてしまうことが今でも多くあるように思えます。

でも、上述のように、このような状態はうつ病の症状である可能性があります。

言わばうつ病のサインなのです。

もしご自身や職場の方がこのような状態に陥っていたら、

決して「甘え」「気のせい」と断じることなく、そして絶対に責めることをせず、

注意深く見守ってあげてください。

そして、それが一定期間続くようであれば、

ためらうことなく医師の診察を受けていただければと思います。

繰り返しになりますが、うつ病は死に至ることもある深刻な病です。

まさかと思っても、念のために受診することで最悪の結果を防ぐことにつながります。

年間2万人以上が自ら命を絶っている現状があり、

その大半はうつ病をはじめとする精神疾患によるものだと言われています。

自身や周囲の方がこのような不幸に見舞われないためにも、

おかしいと思ったらためらわずに診察を受けるということが広まってくれればと思います。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病の症状・過敏性腸症候群

前回はうつ病の症状について書きました。

実際には、その代表的な症状以外にも心身にさまざまな異常が発生します。

今回は、特に身体面の不調についてご紹介したいと思います。

うつ病になると、頭痛や腹痛、肩こりや背中の痛みなどのさまざまな身体面の不調が発生します。

どの症状も大変つらいものですが、

その中でも日常生活に大きな影響を及ぼすものは消化器の不調ではないでしょうか。

私はうつ病になった際、消化器不調の一つである過敏性腸症候群を発症しました。

下痢型と便秘型がある腸の不調なのですが、

男性は下痢型が、女性は便秘型が多いと言われています。私も下痢型を発症しました。

これは文字通り下痢が続くもので、ストレスの影響を大きく受けるため、

特に外出時に症状が強く出ていました。

事前にトイレの場所をチェックしておかないと外出もままならなくなり、

そのせいで、ただでさえうつ病で苦手になった外出がますますできなくなり、

リハビリにも支障をきたす結果となりました。

しかし、産業医の勧めで服用した薬が著効し、徐々に改善して外出も可能になりました。

このように過敏性腸症候群にはよく効く薬がありますので、

つらい場合は医師と相談して処方を受けることも有効だと思われます。

そのほかにもつらい症状は多くありますが、うつ病によるものと気づかないこともあります。

体調に異常があり、ストレスも強いようなら、うつ病によるものである可能性もあります。

思い当たることがあれば医師に相談しましょう。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病の症状について

今回はうつ病の症状についてご紹介します。

うつ病の診断基準としてよく用いられるものにDSM-5というものがありますが、

そこに挙げられている症状は下記のようなものです。

1.抑うつ気分(悲しみや空虚感、絶望感)

2.興味や喜びを感じない

3.体重の著しい増減、食欲不振や過食

4.不眠または過眠

5.動作が鈍くなる。焦燥感や不安感

6.疲労感や無気力

7.自責感

8.思考力や集中力、決断力の低下

9.希死念慮

このうち、1もしくは2を含む5項目が一定期間以上続いているとうつ病と診断されます。

私は、うつ病と診断されたときには9項目すべてに該当していました。

この中で最も深刻なのは9の希死念慮です。

これは、死ぬことばかりを思考してしまうというものです。

残念ながらいまでもわが国では万単位の方が自ら命を絶ってしまっていますが、

その多くがうつ病をはじめとする精神疾患によるものだと言われています。

言い換えれば、うつ病は「死に至る病」なのです。

このようにうつ病はれっきとした病気であり、上記の項目はその「症状」なのです。

決して心の弱さや甘えなどではありません。

命に係わる深刻な病と認識して対応することが必要です。

一人でも多くの方が、うつ病について正しく認識されることを望みます。

今回はこんなところで。

うつ病について知りたいことがあれば、コメントいただければ幸いです。

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