前回、「働く人にとってうつ病は決して他人事ではない」ということを書きました。
今回は、その点をもう少し具体的に数字をあげてご紹介したいと思います。
厚労省の調査によると、
2020年にうつ病などで医療機関を受診した人数は約119万人だそうです。
大まかに言って、国民約100人に一人ということです。
受診していない患者さんもいるでしょうから、実際にはもっと多いと言えます。
また、生涯有病率という指標もありますが、
それによると約15人に一人が、一生のうちに一度はうつ病にかかると言われているそうです。
このことからも、うつ病は決して珍しい病気ではなく、
いつ自分がかかっても不思議ではないということが言えるでしょう。
そして、より深刻な自殺については、
ここ数年は一時期の3万人台を下回って2万人台で推移していますが、
その過半数がうつ病などの精神疾患によるものだと言われています。
仮に半分だとしても年間1万人以上が命を落としているのです。
これは、交通事故の死者数(2021年度は約2,600人)をはるかに上回っています。
また、30代以下の死因第一位が自殺であるというデータもあります。
(ちなみに40代以上は悪性新生物(いわゆるガン)だそうです)
このように、精神疾患による自殺は
働き盛りの人たちや若者たちの命を年間万単位で奪っているのです。
交通事故については職場や学校での教育が奏功して死者数は年々減少していますが、
自殺者については、上述の通り、残念ながらいまだにその何倍もの水準で高止まりしているのです。
社会に大きな影響を及ぼしているリスクとして、一刻も早く改善することが望まれます。
そのためにも、職場や学校で、交通安全教育と同様以上に、
自殺対策やストレスチェックなどのメンタルヘルス対策に注力されることが必要だと考えます。
近い将来、交通事故と同様に社会での啓発が進んで、
うつ病の患者数や自殺者数が大きく減少することを願ってやみません。
今回はこの辺にいたします。
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