うつ病で受診すると、仕事を休むようにとの診断が下ることも少なくありません。
今回は、休職中の過ごし方について書いてみたいと思います。
うつ病での休職は、一か月~場合によっては年単位と、長期にわたることが多いです。
多くの方にとって、このように長い間仕事を休むことは経験がないことと思われます。
その間、どのようにして過ごすか?
最もお伝えしたいことは、「まずは休むことに専念してください」ということです。
うつ病は心身のエネルギーが枯渇した状態です。
何をおいても、じっくり休養して心身のエネルギーが回復するのを待つようにしてください。
まとまった時間があるからと勉強に手を出したり、
気分転換にと旅行を計画したくなるかもしれませんが、
休職の初期は特に休養が重要です。
「何もしない」ことが今の仕事だと思って回復に努めてください。
仕事のことも忘れるようにしましょう。
貸与されているパソコンや携帯電話は職場においておき、
連絡の窓口は上司か労務担当者だけに限定しておくことがお勧めです。
ある程度回復してきたら、ドクターとも相談しながら
「できること」「やれること」を少しずつ増やすことになるかと思います。
このフェーズでおススメなのは、軽い外出や簡単な家事です。
外出は体力の回復にも役立ちますし、
復職に向けて徐々に外の世界に慣れていくリハビリにもなります。
また、家事は基本的にはやればやっただけの成果が得られます。
これは、職場で失われた自己肯定感を取り戻すのに有効です。
職場では、やってもやっても成果が出ないという状況に陥りがちです。
これは自己肯定感を失い、うつ病を悪化させる要因にもなり得ます。
しかし家事は、基本的には何かしらの成果が得られます。
たとえ料理が失敗しても、目の前には一応の食事ができるのです。
やったことが形になるという経験を通して自己肯定感を取り戻すことは、
成功体験にもなり、うつ病からの回復に役立ちます。
このように、休職中は「仕事を忘れる」「無理をしない」「自分をほめる」ことに
専念してゆっくり過ごすことがお勧めです。
とは言え、いろいろと心配なことがあるのは避けられないことです。
特に経済的な不安は多くの方に共通するお悩みでしょう。
次回は、その点についてご紹介したいと思います。
今回はこの辺にいたします。
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