うつ病とカウンセリングの関係

うつ病についてのコラム、今回で一区切りにしようかと思います。

そこで、今回はうつ病とカウンセリングの関係について

思うところを書いてみようと思います。

現在、わが国ではうつ病の治療手段としてのカウンセリングは

まだ一般的であるとは言い切れません。

心理士によるカウンセリングや医師による心理療法よりも

薬物療法が第一の選択肢になっているのが現状です。

しかし、欧米諸国ではカウンセリングが第一の選択肢になることも多く、

治療効果をあげているとの声も多く聞かれます。

それでは、うつ病に対してカウンセリングは

どのように働きかけることができるのでしょうか?

最初に考えられるのは、失われた自己肯定感を回復するということです。

うつ病では自己肯定感が失われ、自責の念にかられるようになってしまいます。

カウンセリングで自分のことを客観的に見つめなおすことにより、

自分の長所や成し遂げたことの足跡を客観視することができ、

この失われた自己肯定感を取り戻すきっかけにすることができると言えます。

また、話を聴いてもらうことによるカタルシス効果もあげられます。

うつ病に至るまでの段階で、本人の心にはさまざまなストレスが溜まっています。

それらをカウンセラーの前で吐き出すことで、心が浄化されるのです。

そしてレジリエンス向上の効果もあると言われています。

レジリエンスとは、心に備わる抵抗力のことです。

カウンセリングを受けることでレジリエンスが向上し、

ストレス耐性が上がると言われているのです。

このように、うつ病に対してカウンセリングは

有効に作用するということができます。

但し、カウンセリングを受ける際には注意点もあります。

カウンセリングの中では、

自分と深く向き合い、内省する過程が発生します。

これは大変疲れる作業であり、

うつ病による心身の疲労が激しい状況下では、

症状を増悪させることにもつながりかねません。

よって、うつ病でカウンセリングを受ける際には、

主治医とよく相談し、

自省や内省に耐えられる体調になってから受けるようにしてください。

そうすることで、上記のような効果が期待でき、

うつ病の治療に役立つものと信じてやみません。

この文章が、困っておられる方のお役に立てば幸いです。

ご意見、ご感想などお待ちしております。

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