今回は失業保険についてお話しします。
うつ病などが長引いてしまうと、
休職期間を使い果たしてしまったり、療養に専念するために退職となることもあり得ます。
基本的な部分はご存じの方が多いと思うので割愛し、
今回は意外と知られていない点についてご紹介します。
まず、前回お話しした傷病手当金との関係について述べます。
傷病手当金は退職後も休職開始から1年半までに限り受給することができますが、
失業保険と同時に受給することはできません。
傷病手当金は「病気や怪我で働けない」人が対象であるのに対し、
失業保険は「働けるのに仕事がない」人を対象にしているからです。
両方を受給することはこれらの原則に矛盾していることになってしまいます。
次に「受給期間の延長」についてです。
失業保険は原則として退職後1年以内に受給を完了することとなっていますが、
病気による退職で働けない場合、受給期間を延長することができます。
働けるようになったら延長を解除して失業保険を受給することができます。
実際のケースでは、傷病手当金を受給している間は失業保険を延長しておき、
傷病手当金が終了した時点で主治医から就労可能の判定をもらい、
失業保険受給を開始するというのがお勧めです。
そうすることにより、無収入期間を避けることが可能になります。
但し、あくまで「働ける体調である」ことが原則ですので無理は禁物です。
失業保険受給のために無理をして就労可能を装うことになると本末転倒ですので、
主治医とよく相談してください。
そして、「就職困難者としての受給」があります。
うつ病などの精神疾患やその他の障害で通常の就労が困難であると判定された場合、
自己都合退職による一般受給者よりも給付日数が長くなり、給付される金額が多くなります。
また、通常は月2回の求職活動が1回に軽減されます。
障害者手帳がなくても、うつ病の場合は医師の診断書で認定されるケースもありますので、
ハローワークに問い合わせてみてください。
今回は、うつ病の方が失業保険を受給する際に知っておくと有利な点についてご紹介しました。
この文章が、困っておられる方のお役に立てば幸いです。
ご意見、ご感想などお待ちしております。