うつ病が職場に及ぼす影響

うつ病は職場にどのような影響を及ぼすでしょうか?

まず、当事者が長期休業を余儀なくされるので、

その分、周囲の人の負担が増加するということが挙げられます。

数か月~1年前後の休職ののちに復職しても、

しばらくは業務負担を軽くしたリハビリ出社となりますので、

その影響は長期にわたります。

うつ病は再発しやすい病気ですので、完全復職後も十分な注意が必要です。

また、自殺リスクも考えねばなりません。

万一、職場で自殺者が出てしまったら、

その損失は計り知れないものになることは言うまでもないでしょう。

うつ病の症状の一つに希死念慮があるということはすでに述べましたが、

これは病気の急性期だけでなく、回復期にも起こりえるので注意が必要です。

むしろ、体力や気力が回復してからのほうが

衝動的に自殺してしまいやすいということも言われています。

WHOの報告では、

2030年には社会全体に対する経済的損失はうつ病によるものが第一位になると

予測されています。

がんやHIVよりも社会に与える影響が大きくなるということです。

このように、働く人にとってうつ病は決して他人事ではありません。

自分がかからないようにするのはもちろんのこと、

職場から一人もうつ病を出さないことが重要です。

そのためには、職場全員で仕事の量や質、ストレスの状況をチェックし、

みんなが働きやすい職場にすることが必要なのです。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病は「心の風邪」ではない

これまで、うつ病のメカニズムなどについてご紹介してきました。

それらのことから言えるのは、うつ病は心の病気であり、

決して弱さなどではないということです。

溜まったストレスなどにより、

心身のエネルギーが枯渇して脳が一時的に異常をきたしている状態なのです。

いや、異常ではなく、人に備わったリミッターが正常に作動した結果だと言えるかもしれません。

「うつ病は心の風邪」という言葉があります。

これは、ある意味では当たっています。

風邪を引いた人に、「お前が弱いから風邪を引くのだ」とは言いませんよね。

心の強弱に関係ない、れっきとした病気なのだという意味では確かにそう言えるでしょう。

しかし、別の意味では不適当であるともいえます。

風邪なら放っておいても数日で治りますが、うつ病はそうはいきません。

十分な休養に加えて、適切な治療が必要になります。

しかも、放置しておくと悪化する可能性もあります。

この意味で、「心の骨折」と表現する専門家もいます。

骨折には、休養に加えて患部の適切な固定や社会復帰に向けての

リハビリが必要になりますが、うつ病も同じだというわけです。

このように、うつ病は骨折に匹敵する重篤な病なのだということを

認識していただきたいと思います。

スポーツで怪我の予防に努めるように、

職場ではうつ病の予防に全力を尽くしていただきたいですし、

もし身近にうつ病が発生してしまったら、

円滑な社会復帰ができるよう、

周囲の人は本人のリハビリに全面的に協力していただきたいと思います。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病になりやすいタイプ

今回は、うつ病になりやすいタイプについてお話しします。

うつ病の発生するメカニズムにはまだまだわからないことが多く、

いろいろな説が唱えられていますが、

その中の一つに、その人の性格が影響しているという考え方があります。

それは、真面目、几帳面で責任感が強い性格はうつ病になりやすいというものです。

ドイツの精神医学者テレンバッハは、このような性格を「メランコリー親和型」と名づけました。

このような人たちは職場でも秩序を重んじ、ミスなく正確に仕事をこなします。

しかし、自分を追い込んでしまうところがあり、過労に陥ったりトラブルが続いたりすると、

自分を責めてしまいます。その結果、うつ病に陥ってしまうことが多いと言われているのです。

でも、決して「困ったものだ」などと思わないでください。

これは、職場で仕事を円滑に進めるために必要な資質なのです。

考えてみてください。もし、これと正反対の性格の人ばかりが職場にいたら…

不真面目で、いい加減で無責任な人ばかりだと、

確かにその人はうつ病にはならないかもしれませんが、仕事が回っていかないですよね。

こんな部下ばかりを抱えた上司がうつ病になってしまうかもしれません。

大切なのは、このような人々にストレスが溜まらないようにすることです。

そのため、組織には、仕事の質や量を常にチェックして

ストレス過多の人がいないか注意を払うことが求められるのです。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病の治療・オーソモレキュラー

今回はうつ病の治療について最新の療法をご紹介します。

以前にも書いたように、

うつ病の治療には薬物療法、心理療法、そして十分な休養という三本柱が有効だとされています。

それに加えて、最近注目されているのが分子栄養療法です。

これは、うつ病患者には特定の栄養素が不足していることに着目し、

その栄養素を食事だけでなくプロテインやサプリメントで補うことで症状の改善を図るというものです。

オーソモレキュラーとも呼ばれています。

具体的にうつ病で不足しているといわれるのは、

タンパク質、鉄、亜鉛、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンC、ビタミンDなどです。

これらは通常の食生活でも不足していると言われており、

一度不足すると食事だけで改善することは困難です。

そのため、プロテインやサプリメントで補うのです。

まだあまり広く知られていない療法であり、取り組んでいる医療機関も少ないのが現状ですが、

確実に著効している例が多く報告されています。

「オーソモレキュラー」で検索すると、取り入れている医療機関がわかりますので、

興味のある方はぜひ調べてみてください。

今回はこの辺にいたします。

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うつ病のサイン・ケチな飲み屋

前回まで、うつ病の症状についてご紹介してきました。

今回は、同僚や部下など身近な人から発せられる、

うつ病が疑われるサインについてご紹介したいと思います。

うつ病の特徴の一つに、「病識が低い」ということがあります。

どういうことかというと、本人がうつ病に気づかず、

病気であるという認識がないことが多いということです。

そのため、周りの人が早めに気づいてあげることが重要なのです。

職場で現れるうつ病のサインをまとめたものに、「ケチな飲み屋」という言葉があります。

これは、下記のような状態の頭文字を取ったものです。

「け」…欠勤が増える

「ち」…遅刻や早退が増える

「な」…泣き言(「もうダメです」など)を言う

「の」…能率が下がる

「み」…ミスが増える

「や」…「辞めたい」と言う

「み」は、「身だしなみがおろそかになる」でもいいかもしれません。

これらの状態が現れたら、

本人がうつ病になっていたり、なりかかっている可能性があります。

「ケチな飲み屋」に気づいたら、

ゆっくり時間を取って本人の話を聴いてあげるといいでしょう。

そして、必要に応じて

カウンセリングやメンタルクリニックの受診を勧めてあげるのもいいと思います。

職場のメンタルヘルスを守るため、

身近に「ケチな飲み屋」がないか、注意してみてください。

今回はこの辺にいたします。

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